ツボの運用法
鍼灸、その他治療
鍼灸師が何を基準に施術するかというとツボ(経穴)です。
ツボは不規則に皮膚上に点在しているのではなく
経絡という縦横に走行する連絡網上に存在します。
経絡は現代医学の神経や血管の走行とは似て非なるもので
科学の発展した現代でも説明できるものではなく
鍼灸の効果を経絡を使って説明しようものなら
胡散臭く聞こえたり、眉唾的な存在になってしまいます。
しかし、経絡の概念を使い施術することで、症状の緩解がみられるのも事実で
標準化された言葉や身体部位、機能を用いた施術効果の説明、理解は
各流派の諸先生方が躍起になって継承されているところだと思います。
鍼灸の歴史から考えて、当時身体の中を診ることは不可能でした。
よって、身体の外側、つまり皮膚表面上の特徴を捉えることによって
病態を把握し、そこにツボが運用されるに至ったと考えることができます。
そして、時間をかけてツボがそれ以外の場所や内臓との関連
そこを刺激することで症状が緩解するという経験を理論化し
経絡の型を作り上げたのだと思います。
鍼灸の効果は、同じ経絡の概念を用いても
施術する者の裁量によって異なるのも事実です。
どの鍼灸師が施術しても、同じ効果が出せる方法論を構築されている先生もありますが
それは経絡やツボの運用法が違う、また、経験だといわれると話が終わってしまいます。
少なからず、既存の経絡の概念に応用を加える必要があるのではないかと考えています。
人間は動物です。動く物です。
ならば、動かしながら評価する必要があるのではないかと思います。
だから近頃、身体の連動や動的な鍼灸を推進しています。