運動のススメ

健康寿命

昨日、3回目ワクチン接種を受けました。

日々の情報に2年経った今もまだ一喜一憂が続きますが
現在の科学が示す最も安心、安全が得られるコロナ対策の一つです。

中和抗体価が最も高いとされる交互接種(ファイザー×2、モデルナ)でしたが
局所の痛み以外の副反応はなく、今日一日いつも通り仕事ができました。

ワクチンはご周知の通り、病原体に対する抗体産生を促し
感染症に対する免疫力を得るものです。

2021年ベストセラーになった「スマホ脳」の著者
精神科医のアンデシュ・ハンセン氏の続編ともいえる「最強脳」には
運動がもたらす心身への恩恵が書かれています。

運動が大切だ、と言われ始めたのはいつかはわかりませんが
文科省の幼児期の指針をみると少なくとも10年以上言われ続けています。

便利は運動を奪う目的で追求されてきたわけではないでしょうが
極端に言えば、狩猟や農耕が生きるために必須だった時代は
日常の運動が生きるための手段だったのに対して
経済社会では、運動そのものを目的にしましょう、になっています。

運動はしなくても生きていけますが
長く健康を維持するためにやったほうがいいですよ、ということです。

生きることと健康であることに隔たりが生じているのに
運動の機会を作れないのが今ということです。

運動の時間を作ることで、免疫の獲得だけではなく
情報依存からも解放され、どうしようもないものに
一喜一憂していたことに気付くかもしれません。

科学の証明ではなく、運動は心身に良い影響があって
外邪の侵入に対する免疫力を高める、とヒトは薄々気付いています。

ワクチン以外の免疫獲得も可能です。

留まることと動くこと

健康寿命

高齢の方と施術中話していると、“何もしてないんじゃけど…”
と、肩こりや腰痛の自己推察をされます。

一方で、スポーツやランニング愛好家は、ハードなトレーニングを
日常的に行った結果、痛みを訴え来院されます。

一見、静と動のように捉えられる両者ですが
私は痛み不具合の現れた部位からみると、同じ構図を想像します。

“座りすぎは死亡リスクを高める”という話はご周知かもしれませんが
世界に先立って、イギリスでは2011年に座りすぎガイドラインを作成し
就業時間中少なくとも2時間、理想は4時間座っている時間を減らして
立ったり、歩いたりする低強度の活動にあてるべきであると勧告しています。

長時間座位を強いられるビジネスツール椅子。
欧州では半立位のものが積極的に取り入れられ
長く座ることから生まれる弊害を減少させる取り組みを行っているようです。

長く同じ姿勢の意味で
高齢の方の動くことなくじっとしている様子
スポーツの体に動きを刷り込む反復練習
ビジネスの座位
は、見方を変えると同じポイント(身体部位)に継続的に荷重された状態と言えます。

イギリスガイドライン中の座位ではなく立ったり、歩いたりの表現は
決して動きなさいではなく、定期的に姿勢を変えなさいだと私は捉えます。

よって、勿論日常的な運動は身体を安定的に保つ有効手段ですが
慢性的な痛み不具合も、一部急性期を除き動かしたほうが早期改善が望めると考えます。

小さな子が眠っている間、縦横無尽に寝返りを打つのは
血流停滞に陥らないための自浄作用だと私は思っていて
大人になるにつれて寝返りを打たなくなるのは
身体の各器官が成熟し停滞リスクよりも安定を選択していると推察します。

森羅万象、消長リズムは普遍で、留まれば動き、動けば休むを
50/50に近く遂行することが健康であるための一つの考え方だと思っています。

内側の医療

健康寿命

2017年度国民医療費43兆超過去最高のニュースがありました。

私が専門学校に通っていたころ、確か約30兆円だったと記憶していますが
それから15年、年約1兆円弱ずつ増加していることになり
今後も増加の一途が予想され、団塊世代が75歳以上になる2025年問題は周知の通りです。

総務省情報通信白書によると、2017年PC,スマートフォン等のモバイル端末の世帯保有率は94.8%
ほとんどの家庭でインターネットが利用されていると言えます。

体の不調は今は簡単にインターネットで調べることができます。
内容の信憑性はともかく、自分の体を一定評価できます。

また、いつの時代も健康はブームになる素材なので
テレビをはじめ様々な体を扱う情報は需給されます。

だから、痛み不具合が生じると、それらの知識範疇で自己診断してしまう
ということは今は日常的です。

では、こうした情報が即入手できなかった頃はというと
医療機関を受診するまでの間は、ひたすら我慢もしくは
自分なりに痛み不具合と向き合い考えていたと想像します。

簡単に情報が得られる今の世の中は
この作業が完全に割愛され症状の理解が内側から起こりません。

ある痛いという症状は、医学的に診断がついたとすれば
それに対する処方があれば一定の改善は期待できます。

今の医療はこれを指し、これは外側からのアプローチで
つまり本人ではない第三者の働きかけによる症状の改善です。

内側からの理解とは、なぜ痛みがそこに生じたかという逆算の理解です。

医療のコンビニ受診は一時社会問題になりましたが
内側の理解なしに、完全に他者依存すると自浄作用を失います。

本来、ヒトが持つ自己免疫力や回復の早さは
単に投薬や他者による矯正ではなく、自身の中から湧いてくる力です。

客観的なスケールに乏しいとされる東洋医学の診断で重んじるのは観察することです。

私は単に動きや身体所見そのものはもちろんですが
見えていない生活背景も感じるように心がけています。

痛み不具合の原因が一つであると推察できることはほとんどなく
普段の何気ない習慣の見直しや動作の癖を意識することで
症状の改善に繋がることはあると確信しているからです。

自分のことはわかっているようで全然知り得ていないというのが印象で
痛み不具合が生じたとき、まず自分で何をするとどうなるか?
を問うてみると案外改善の方向に向かっていきます。

非合理的な日常がこどもの体力を作る

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私が大学を卒業し社会人一年目に初めていわゆるガラケーを持ち始めて20年超
今ではスマートフォンは常識的、と言える約60%の個人が保有しているそうです(2016年総務省)。

身の回りのあらゆる機能を一台に集約した超便利グッズですが
一方で、健康被害を危惧する声も聞かれます。

スマホの使用時間が長い人ほど社会不安が高い
自宅でスマホを使い続ける人は仕事のストレスが回復しない
といった研究結果もあり、スマホがなければ不安に陥ったり
日常生活に支障を感じる人は多いのではないかと推察します。

普段、スマホを与えていない小学生の息子を見ていると
友達との情報伝達はもっぱら学校での対面で
そうでなければ直接出向く、というスマホ必須の大人からすると
非合理的、便利知らず、無駄骨、電気電波皆無の時代と何ら変わりません。

ご承知の通りこどもの外遊びは様々な理由で激減し
幼少期の体力作りはスポーツの習い事が担う時代です。

競技スポーツのケガや調整名目で小中学生の来院が多くありますが
稀に親御さんから日頃の基礎体力作りについて問われます。

私は、身体が成長過程のこどもに体力強化のトレーニングは
概ね必要ないと考えています。

なぜなら、スポーツによって競技特性は違いますが
たいてい身体が大きいこどものパフォーマンスが高い傾向にあるからです。
トレーニングによって得られた体力というより
形態的資質のほうが影響していると考えて良いと思います。

骨の成長著しい時期に高負荷を高頻度で強いると
スポーツパフォーマンスはおろか、以降の競技の弊害
身体の器質的な不具合などのリスクが大きくなると考えます。

また、現代習い事スポーツは、人類の運動不足解消のための
運動習慣動機付けも担っていると思うので
スポーツは楽しいという意識の植え付けが重要と考えます。

 

体力作りをスポーツで養っていなかった頃
こどもの体力は日常の生活や外遊びで育まれていたと想像できます。

いちいち自転車で友達宅まで向かう息子を見ていて
一見、非合理的に見えますが、これこそ体力作りだと思ったのです。

こどもの非合理的活動。支援します。

スマホ欲しがるこどもにいつでも与えることはできます。

本当の意味のこどものためとは。

欲しがるものを与えたときの喜ぶ顔。

満足しているのは実は親なのかもしれない。

生活は体(たい)を現す

健康寿命

関節と筋の関係は切り離せるものではなく、人の姿勢や動作に大きく関わります。

関節の安定を図る筋ですが、年齢や運動頻度によって
その大きさ、柔軟性は変化します。

普段、膝や股関節痛で来院される方は多く
年齢とともにハイリスクになる変形性関節症(OA)はその一端です。

しかし、なぜ、足は少ないのだろうと、ふと考えました。

OAは、関節への機械的刺激などが起因とされていますが
紐辿れば、関節を支持する筋力低下が考えられます。

各関節より上位、股関節は臀部、膝関節は大腿部
足関節は下腿部のそれぞれの筋が主にそれを担っています。

体の中心に近づくほど(筋体積が)大きくなりますが
裏を返せば使わなければそれだけ衰えるということでもあります。

実際、高齢の方を診ると臀部と大腿部の筋は非常に小さいのがわかります。

しかし、筋線維径が大きいのはヒラメ筋、腓腹筋(内側頭)の下腿部で
次に大腿四頭筋、大腿二頭筋長頭、半膜様筋等
最後に大腿二頭筋短頭、半腱様筋、長内転筋と大腿部のほうが小さくなり
下肢運動で股、膝、足各関節に対するはたらきの大小を表すと考えられます。

つまり、日常生活以上の高負荷(つまり能動的な筋運動)で中心部の筋は使われ
そうでなければ遠位の筋の役割が大きくなると推察できます。

結果的に、残存する機能的な筋が多いということは
関節機能も保たれることになるのでOAのリスクが少ないと勝手に解釈しています。

加えて、椅子、ベッドの洋式化された生活様式であっても
下腿部の筋は上位より優位にはたらきます。

畳、和式トイレは、今の生活には不合理かもしれませんが
実は、柔軟性や筋力を養うトレーニングだったと思っています。

 

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