スポーツ万能なのに体が硬い
スポーツ傷害
弊院は小児鍼を行っていますが、成長期の不安定な心身調整名目よりも
スポーツによる体調管理で利用されるケースが圧倒的に多いです。
開院当初の想定とは違うというより想定外でした。
こどもの習い事の変遷をみると、スポーツが男の子で2,30年トップ
女の子はここ数年で音楽からスポーツに移行傾向だそうです。
いつの時代もそうでしょうが、その象徴といえると思います。
私も含め親の立場で考えると、自身の幼少期と比べ外遊びは減り
ゲーム、PC媒体の動画などが主な余暇時間の使い方になっているのが現状なので
体を使うスポーツへの依存は当然の結果と思います。
習い事なので、教える・教えられるという関係に基づきますが
印象として自立した大人になるためにという含みが
私の幼少期の習い事には多かったように感じます。
私の習い事が小6まで剣道だったからかもしれませんが
挨拶や日常の所作についての指導は、実際の練習同様に時間を割き
内容が扱われていたように思います。
スポーツは単に余暇を楽しんだり、社会性を育てるためのものではなく
今は将来の仕事となり得る可能性が広がってきました。
スポーツの捉え方は明らかにここ数十年で変わり
日本でも完全にビジネスとして成立しています。
そういう流れもあってか、習い事のスポーツは
専門性の高い身体動作を早くから取り入れ
大人顔負けのちびっこアスリートがどんどん増えてきました。
![](https://fukusyo-an.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/04/128f91222222f32a2e02c042e180d5f2_s-360x240.jpg)
こうしたこどもの来院があり、体をみていると
スポーツをしているのに体が硬い子が多いということに気付きます。
(硬い身体でスポーツを行うリスクにはここでは触れません)
運動器(骨・筋などの軟部組織)が未熟かつ成長段階で
高負荷の刺激を加え続けた結果、一つのスポーツに特化した動きの意味で
直線的な動きしかできない、つまり偏った運動器の形成になっているのではと推察します。
更に、ある動きの再現時の神経(脳)機能は、大人は制御しようとする反面
こどもは統制的ではなくあくまでもイメージ優先のため
無意識に体に動きが刷り込まれていきます。
だから、骨の成長が止まる中高生になると成長した体にフィットしない動きの癖が抜けず
スポーツ障害に悩まされるという背景があるかもしれないと思っています。
当然、全てに当てはまるものではありませんが
成長過程だからこそ、こどもに必要な運動要素には幅があると考えます。