花見の隠れた効能

姿勢

花見も終盤。桜の花も散り始めました。

7年ぶりに花見に行きましたが、きれいに整備された公園は花見というより人見。。
桜の花だよ全員集合でした。

それでも、桜の下で深呼吸したり、こどもと軽く遊ぶと爽快です。

日頃、あえて運動しなければヒトは呼吸という肺機能の約1/10しか使っていません。

深呼吸や軽い運動後の心地良さのひとつに
おざなりにされた筋活動の覚醒があると考えます。

大きな呼吸は胸郭を広げるために多くの筋が動員されます。

関節可動を使った運動のない日常生活の呼吸では全く機能しない筋も存在します。

凝り痛みを抱える人の多くは呼吸が浅く
これがいわゆる不良姿勢の要因のひとつではないかと考えています。

逆を言えば、浅い呼吸で成り立つ生活スタイルのため不良姿勢を許容します。

また、肺は交感神経、副交感神経の自律神経を介して活動が制御されている臓器です。

つまり、肺機能のひとつである呼吸は唯一、能動的に自律神経をコントロールできると言えます。

大きく息を吸うと、背すじはピンと伸び、胸は張られ
肩甲骨は引き合い、腰椎は前弯し、骨盤は前傾し、いわゆる良い姿勢になります。

深呼吸や軽い運動は、不良姿勢のロックを外し
未使用の筋の肩を叩いて起こしてくれます。

花見の清々しさの気付かない一面かもしれないと思いました。

ランニング時の姿勢制御

姿勢

インナーマッスルやコアマッスルという言葉は
今日では聞いたことがないという人はいないというほど浸透しました。

これらを鍛える内容の文献も書店では
必ずと言っていいほど置いています。

こうしたハウツー本を実際買って試したとして
どれくらいの人が何かの変化を感じているのか気になります。

僕は、それには自分なりのアレンジや
動きの感覚に落とし込む活字以外の作業が必要だと思っています。

骨の数や体の構造など、解剖学的にヒトの組成は同じですが
機能となると正に千差万別だと日々感じます。

更に、数回のスキルで劇的に変わる方法など存在しないと思うので
何かの変化に気づいたとしても現在進行形ではなく結果論として
そういえば、、といった主観や客観によるものだと思います。

それを体現するためもあって衰えも感じつつ走っているわけですが
この冬、強化されたというより使い方がわかったという経験ができました。
(筋トレという重量を目指したトレーニングではなく日常の全ての姿勢が意識により
コアマッスルの機能訓練になると思っているので強化の表現ではありません)

コアマッスルは、運動に不可欠とはいうものの
どこをどのように使うことが、運動パフォーマンス向上につながるという表現に乏しく
いわゆる体幹トレーニングをしても、それ自体が固まることしか実感がありませんでした。

ランニングで息が上がると同時に肩が上がりやすく(アウターの収縮)なります。

呼吸が苦しいので息を懸命に吸った結果
肩が上がり上体が固まり力が入り(固めることに作用した筋へのエネルギー供給などで)
動かなくなっていきます。

そこでコアマッスルの横隔膜を意識的に下げます(大きく息を吸う)。

横隔膜は肺以上の胸腔と肝臓以下の腹腔を隔てる骨格筋(随意筋)で
息を吸う(吸気)と収縮して下がり、息を吐く(呼気)と弛緩して上がります。

つまり息を力一杯吸うと肺に酸素は供給されますが肩にも力が入ります。

そこで、苦しくなったら息を一杯吸って肩だけ下げます(アウター弛緩)。
(相対的に首を伸ばすイメージで)

これによって、骨格支持の少ない横隔膜以下骨盤底筋以上の空間が狭くなり
地面からの反力を受けやすくなります。

当然息が上がった状態では苦しいのですが
コントロールできる部位が増え、わずかに余裕ができます。

これは日常の姿勢でも言えることで
首肩周りの不具合が軽減、減少するのではないかと思っています。

中心に近付ける

姿勢

普段、中心を揃える、厳密には近付けようとすることで
不具合が解消されるケースがとても多いです。

厳密にはというのは、いくら中心を意識しても
経験上その状態にならないためです。

しかし、基本的に痛みや強張りなどの不具合は
脳の興奮によるものなので、極論どんなに曲がっていても、歪んでいても
不快と認識しなければ良いということを殆どの場合望まれていると察します。

つまり、画像上の明らかな所見を元の状態にすることではなく
動かしても痛くない、不具合なく日常が過ごせる、これを目指します。

よって、改善の道は限りなく何通りもあり
施術者としてその道をいくつ知っているか、または、どれだけ想像できるかは
死活的と言えます。

ただ、先に言ったように、中心という目指すべき指標があれば
想像ならば的が絞りやすくなります。

良いか悪いかは相対的であるので、施術前と比べてどうかを
主観客観両方で確認しながら進めると
即というのは稀ですが、徐々に改善に向かいます。

鍼灸や整体は根拠に乏しいと言われます。

しかし、裏返せば原因結果としての画像、定量以外を
改善の糸口として担っているとも捉えることができ
であれば、違う物差しで評価し施術することは当然と言えます。

少なくとも大きく傾いた状態よりも真っすぐに近いほうが良いという見方は
有意義であると確信します。

慣れを意識する

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鍼灸学校に通っている時、まず鍼を鍼管という筒に片手で入れる実技をします。
片手挿管と言います。

最初、とてつもなく難しく、ただ鍼を鍼管に入れるだけですが
口が一緒にへの字に曲がっていたように思います。

今、何も考えなくてもできます。
当たり前ですが、それに意識を持っていかれたら治療どころではありません。

しかし、稀にスムーズに入らないことがあり
治療にもリズムがあるので、その時は不快です。

意識しなくてもできる、またそれが頻回になればなるほどクセが出ます。

クセは漢字で書くと(癖)ヤマイダレにヘキ。
このヘキにはかたよるという意味があるそうです。

文字通り、かたよって病気になるのです。

意識しなくてもできる=慣れ
と考えると、慣れたことを意識できない状態は
やがて病気を招くと言うことができます。

歩く、座る
当たり前にできてしまっていることに
意識を注ぐことの大切さがそこにあります。

患者さんは見ていなくても
かっこよく見える片手挿管を考えてやることがあります。

クセがすごい

姿勢

岡山出身のお笑い芸人「千鳥」のフレーズ“クセがすごいんじゃ”は
岡山弁と言い回しの何とも言えない感じに爆笑してしまいます。

癖とは無意識におこなう習慣的な行動を言います。

ヒトには色んな癖があって、姿勢はその象徴だと感じます。

慢性的な痛みや強張りを姿勢が原因とする考え方は強く
スポーツにおけるover use、スポーツ障害でも姿勢由来と考えられるものも存在します。

姿勢とは止まった状態のみを言うのではなく
広義にはある関節の動きの均衡性まで含むと考えています。

つまり、関節可動、筋力、視覚に委ねた非対称の軸バランスなど
複数の要因が重なってあるべき姿勢が崩れ、個人のもつ不快閾値を超えたり
weak pointと重なると痛み強張りとして症状化するのではないかと思っています。

全ての人の動きは教科書に書かれた内容のようにはいかず
また年齢や性別によっても大きく異なるため
何が、どこが正しいのか相対的に導き出すことはできません。

しかし、ひとりの人をじっくり観察すると、その人のもつ癖があぶり出されてきて
治療の上で大きなヒントとなります。

癖という漢字の部首は「やまいだれ」です。

クセがすごいと笑いではなく病(やまい)に陥ってしまうかもしれないので
注意が必要です。

 

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