『遺言』
本
ips論文で不正。もう、この類のニュースに驚かないが少し心配だった。
それは、山中教授の進退問題への言及があったからだ。
山中教授に会ったこともないし話したこともないが
偉業を成していてかつ、メディアを通して伝わってくる
謙虚で誠実な人物像にとても好感を持っている。
私は、理想論だが頑張っている人が報われる世の中がいいと思っていて
偉そうだが、山中教授は間違いなく頑張っている。
だから、山中教授が頑張れる環境が保たれることを望む。
原因があって結果がある。
というのは間違いではないが全てがそうとは限らないと思う。
だから、どうすればこういうことにならないかいくら検証をしても
防ぎようがないのではなかろうか。
どんなに新しい医療技術をもってしても人は必ず死ぬ。
という発想に似ているような気がする。
だとすると、ipsをはじめ色んな研究は無駄なのか。そんなはずはない。
それを善や悪、0か1、正解・不正解だけで評価しようとすることに疑問を持つ。
そういう自分も、正しいのか間違っているのかという呪縛に囚われている感が強い。
養老孟司さんの『遺言』を読んだ。
少しラクになったというか、向いていた思考の矛先が広がったような感じがする。
今、皆が感じていると思われる、なんか変。に気づきを与えてくれている。