仙腸関節と上部頚椎
腰下肢痛
仙腸関節は骨盤帯の連結を担う重要な場所です。
平面関節というわずかに滑る動きしかしないとされる関節です。
動きが小さいということは、靭帯によって強固に繋がっています。
しかし、歩行やランニング時の非対称的な捻れによって生じる力を
そのまま中心に伝えることを回避させます。
よって、動きは非常に小さいながらも柔軟でなければ
骨盤帯やその上位、下位の機能障害を生じやすくさせると思われます。
腰下肢痛が主訴の場合、仙腸関節のアライメント及び機能は、間違いなく注目します。
これと共に、重要なのが上部頚椎です。
第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)は7つの頚椎の中でも、他と構造が異なっていて
回旋の50%をこの2つ(環軸関節)が担い、外からの物理的刺激や、内側の精神的刺激に敏感と言われます。
脳という神経の塊に近いにもかかわらず、その可動性が理由なのかもしれません。
一見、さほど影響ないような腰下肢痛に
この上部頚椎が加担していると考えられることがあります。
クラ二オセイクラル(頭蓋仙骨療法)。
オステオパシーの一種で、頭から仙骨までの骨、関節、軟部組織、神経系などの
機能を整えることで症状改善を図る療法です。
28個の骨癒合からなる成人の頭蓋骨は、それ自体が複数の関節を持つとも考えることができ
それを直下で支持する環軸関節
上からの力を吸収し、下からの力を分散する仙腸関節
そこには因果があってもおかしくなさそうです。
本日、腰下肢痛で伸展(体を反らす)困難が
上部頚椎の操作で緩解する症例がありました。
気を見て森も見る。
東洋医学の醍醐味です。