腰下肢痛を助長する歯痛

腰下肢痛

全身の連動機能低下が局所の痛みを助長していると思われる症例です。

立った状態で体を反らすと腰から脚(後面)への放散痛が
ほぼ間違いなく再現されるという症状です。

そもそも痛み不具合が慢性化する部位はその人にとって
器質的、形態的、機能的なウイークポイントであると考えます。

言い換えると、その部位にひずみが生じやすい
アライメント、筋(力)バランス、動きが背景にあると言えます。

よって、それら考えられる原因の中で改善可能なポイントを推察し
治療すれば良いということになります。

痛みの場所は腰以下ですが、話を聞けば年末に治療した歯の調子が芳しくなく
患側で咀嚼できないということでした。

ウイークポイントの痛みを出現、助長させる条件として
歯痛のため顎関節-頚椎-胸郭-腰仙椎-股関節の連動性低下が
静的、動的評価で推察されました。

究極はこれを一点でという神業なのでしょうが
そんな奥義を体得してはおりませんので
歪んだ構造体を地道に整える作業に徹します。

結果、主訴の腰下肢に加えて歯痛も改善されました。

医療はほぼ対症的であると考えているので、仮に痛みが消えたとしても
根治と言えるのか定かではありませんが、自分が担うフィールドで
一定の結果が得られたことは、推察の信憑性を裏付けるものになりました。

 

長引く坐骨神経痛、略治

腰下肢痛

本日、長引く坐骨神経痛を略治とする症例がありました。

元々ランニングを趣味とされていたこともあり
腰下肢痛は練習や仕事の強度によって発症と緩解を繰り返していました。

しかし、ある時以来増悪し、全く改善に至らず
走ることは疎か日常に支障が出るようになっていました。

毎回、こちらの評価は正しいか。
自問自答と、施術効果をその都度確かめてもらいながら
紆余曲折、試行錯誤を繰り返し今日に至りました。

症状緩解に時間を要す場合、略治として施術を終えることは稀です。

大抵、数回で改善しなければ見切り付けられ来院はなくなります。

しかし、この方、本当に粘り強く来ていただき
こちらもそれに応えるべく毎回、頭をフル回転させました。

よって、ほぼ同じ施術は続けていません。
少なくとも少しの改善もなければ毎回変化をつけました。

長く診させてもらうと、少しの変化にも気付くようになり
どんな方法がより有効か鼻が利くようになります。

この経験は、間違いなく治療家人生の財産になりました。

腐らず最後まで来てくださったことに心から感謝します。

準備で勝負は決まる

腰下肢痛

慢性疼痛疾患の約半数を占める腰痛(腰痛は診断名ではありません)。
腰の痛み、と一言では言い表せない所見があり、原因が考えられます。

腰痛を緩解させることができれば
治療家として食うに困らないという先生がいるほどで
それだけ多くの患者と付随症状があるということです。

話は変わりますが、一流シェフが作る料理は
味はもちろん、見た目もアートと言えるほどキレイです。

出された料理をどれだけ味わって食べても
作ることにかかった時間を上回ることはないでしょう。

想像するに、調理の大半を素材選びと下ごしらえが占めるのではないかと思います。
それは、火を通したり味をつけたりする前に(もちろんその技術も重要だと思いますが)
作品としての価値は決まっていると思うからです。

つまり、準備の段階で勝負はついているということです。

腰痛という広義から、なぜそうなっているかという原因を推測しポイントを絞る。

鍼を打つ、手技を加えるという施術そのもの以前に
この準備で施術効果は大きく変わると言えます。

また、ツボという不安定な点の概念が
より小さな点になるということも実感します。

長引く坐骨神経症状に一筋の光が差し込む症例がありました。

坐骨神経痛を腹部で

腰下肢痛

長引く坐骨神経痛が、腹部で著効する症例がありました。
まだ道半ばと思われますが、訴えとはかけ離れた場所です。

木もミル、森もミル。は治療において鉄則ですが
主訴を把握したうえで、全体をフォーカスし、焦点を絞っていくと
木に当たる部分に辿り着くというものです。

症状と治療ポイントが、どんな場合でも一致することはまずない
ということをつくづく思わされます。

そして、そこに到達するには、妥協しない観察力が必要です。

どの動作のどのポイントで症状が軽快、または増悪するのか。
動作を注意深く観察する目と、その人の特徴的な姿勢を含む動きを
イメージする想像力をもって、見つけることができたということができます。

その都度、帰着ポイントを探ることになりますが
これが治療の効果を左右するといっても過言ではありません。

今回、うまくそこに導くことができたということになります。

腰椎骨盤リズム(lumbopelvic rhythm)

腰下肢痛

運動連鎖によって、体のある部位の運動が関節を介して、離れた部位に影響を及ぼします。

これには、足から骨盤に向かう上行性と、骨盤から足に向かう下行性とがありますが
ご覧の通り、中心を担っているのは骨盤です。

また、骨盤と脊柱の関連性についても、上行性と下行性の概念があり
骨盤は、下肢、脊柱と連携する機能を果たすため
そのアライメントは全身に影響するといっても過言ではありません。

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しかし、骨盤は単体で空間上を運動するわけではなく
骨盤の運動は、股関節と脊柱の運動の結果になります。

矢状面(体を横から見た時)で体を前後屈させる動作では
骨盤を介して、腰椎(脊柱)と股関節の動きに連動性が存在し
これを“腰椎骨盤リズム(lumbopelvic rhythm)”と呼びます。

腰椎(5つ)の各分節の可動範囲はおよそ8°とされ、膝を伸ばした状態で手を床につけると
平均的な健常成人で腰椎40°、股関節70°がほぼ同時に屈曲するといわれています。

体がおよそ45°前傾した時点で腰椎の運動は制限され
その後、股関節と胸椎によって前屈が行われます。

一方、体を反らす場合、多くは股関節が先行し、少し遅れて腰椎が伸展します。

腰椎骨盤リズムは、股関節と腰椎の可動域制限を補完し合うため
どちらか一方の可動域制限を他方が代償します。

つまり、動きとして連動するが故、負の運動連鎖を誘発します。

見るからに悪い姿勢や、硬い動きは、負の運動連鎖を招き
筋、腱、靭帯などの軟部組織や関節にストレスを与え続けていると考えることができます。

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