能動的な制御
ライフスタイル
世界陸上ロンドン大会のおかげで、就寝時間に起きることを余儀なくされ
私はずっと日本に居るのですが、まるで時差ボケです。
ひとりの人間のモチベーションが上がっただけでは、あんな緊張感のある場は作れないと
テレビからひしひしと伝わる臨場感から感じます。
その中で普段通りの動きなど、できるわけがないと思ってしまいます。
人間は、ある動きをしようと思うと、筋・関節などにある固有受容器というセンサーから脳へ
それをもとに脳から筋などの身体部位に情報が送られます(フィードバック制御)。
しかし、スタートのリアクションタイムのようにこれら一連の動きには時間がかかります。
つまり、思った通りの動きができないということです。
そこで、こういうふうに身体に指令を送ると良いのではないかという予測を
経験などに従って覚えておく(フィードフォワード制御)。
例えば、スタートで身体をスムーズに移動させるため
一番最初に腹横筋などの体幹の筋肉をより強く収縮させるといったことです。
身体運動はこれらによって制御されていますが、1/10秒、1/100秒を競わなくても
日常でもこのようなことは起こっていて、無意識に少しのズレが生じています。
どんなに学習しても、どんなに繰り返しても全く同じ動きの再現は困難で
だからスポーツ選手は反復練習でそのズレをできる限り小さくしようとします。
そして矛盾する難しい感覚の表現ですが、時には敢えてズラすようなこともします。
制御できないなかにスピードやパワーがあるといった感じです。
痛み強張りなどの症状は出るまで制御できないかもしれませんが、
大切なのは、制御しようとする能動的な取り組みです。
それが症状の大きさを小さくしたり発症の時間を短くします。
日本選手とともに、また睡魔ともあと数日戦いたいと思います。