フォアフット
陸上
昨日行われたボストンマラソンで
日本の大迫選手が初マラソンながら瀬古さん以来30年ぶりの
表彰台となる2時間10分28秒で3位に入りました。
大迫選手は元々注目されていたことや
天気、周りの選手などの条件もあり
この度の結果はどのニュースを見ても高評価です。
現在、男子マラソン世界上位100人のうち約9割はケニア、エチオピアを中心とした選手で
ケニア人選手の殆どはカレンジン族と呼ばれる種族です。
遺伝子やランニングフォームを科学的に解析する動きは
ここ数年活発になっていて、速さの秘密が少しづつわかってきています。
フォームを見ていて以前のマラソンと何か違うな。
と感じる人は多いと思いますが、そのひとつと思われる前足部着地(フォアフット)
に関するドキュメンタリー番組の放送が5年前にありました。
結論から言うと、マラソンにおいてフォアフットの有意差は認められず
更に、ケニア人選手のフォアフットはこの調査において27%(フラット57%、踵35%)で
ケニア人選手=フォアフットの認識は思い込みであることが明らかになりました。
しかし、フォアフットは速く走れるといった観念はあって
ハード面のみ模倣する選手や市民ランナーまで多くいることは間違いないと思います。
フォアフットの最大のメリットは接地時の衝撃の少なさにあり
踵の場合体重の2.2倍の衝撃を受けるのに対してフォアフットでは1.6倍で
筋電図のデータからも省エネにつながっていることがわかります。
一方で、ランニング動作の支持期における筋活性度について
下腿三頭筋は制動局面後半と推進局面で大きく活動するとされ
前足部接地に伴い下腿三頭筋の活動量が増し
筋付着部である腓骨近位にストレスがかかりやすいと考えられます。
フォアフットを実現している選手は意識的におこなっておらず
とくにケニア人選手は子どものころから裸足で未整備の草原や起伏のある場所を
毎日何10キロも走っていたことが一つの要因と考えられるので
未だ拝見したことはありませんが、おそらく柔軟な足関節を持っていると想像します。
ある一部を切り取って結果に結びつけ、それを再現することはリスキーで
好結果を求めるなら、自分の体の理解とそれを最大に生かせる動作の追及が必要です。