粘りと足首
スポーツ傷害
近頃、和式のトイレを見ることが随分少なくなりましたが
日本の洋式化の一つに椅子文化があります。
欧米は屋内でも靴を履いたまま生活することが椅子文化の要因の一つと考えますが
私的見解として、屋内で履物を脱ぐ日本では
やはり、地べたの生活のほうが日本人の体に適した形なのではないかと思います。
ランニングブームで、走ることで体に不具合を生じたり
また、それ自体思うようにできないといった方々の来院が増えました。
これは、ランナーに限ったことではないのですが
一通り全身のチェックをしたとき、足部の可動制限に多く遭遇します。
とくに背屈(つま先を上げる)、回内(小趾側を上げる)方向(外返し)への制限です。
子どもロコモを測る基本動作に『しゃがみ込み』がありますが
大人も含め、案外できない人は多く、その原因の一つに、外返し制限が考えられます。
ランニングにおいて最後に身体をコントロールするのは足(首)部です。
つまり、足(首)部に可動制限があると代償が生じます。
椅子の生活は、股関節、膝、足首を深く曲げることなく
立ったり座ったりができるので、とても楽チンですが
深く曲げるときに得られる関節の可動や筋力を失っています。
日本人が他の国々から称賛される忍耐や粘りは、言い過ぎかもしれませんが
地べたの生活がその一端を担っていたのではないかと思うのです。