ゾーン
ライフスタイル
全英女子オープンで優勝の渋野日向子選手が帰国し、記者会見がありました。
ゴルフのことはあまり分かりませんが、42年ぶりという快挙を
岡山出身の選手が成し遂げたと聞くと興味を持たずにはいれませんでした。
会見の質疑応答は、二十歳とは思えない気持ち良い歯切れよさで
若いとはいえプロとして心身探究を日々行ってきたという
表に見えてこない努力を私は感じました。
会見中、「世界のトップ選手から学んだことは?」
の質問に「何を学んだのかわからない」と答える場面がありました。
競技力を高めるには、基本的に負を正に変える作業を行います。
自分の弱点を見つけ、その改善に競技力のある選手をロールモデルとすることがあります。
既存プレイヤーの技術を分析して弱点克服に繋げるのはとても合理的で
科学が発達した現代では常套手法と思われます。
だから少なくともイメージしたりお手本とする選手がいれば
意識することになるでしょう。
彼女の答えは、他者比較ではなく
ただ自分を自分にする作業に徹したことが想像できました。
自分がコントロールできなくなる時、往々にして意識の矛先が外に向いています。
それに気づいたとしても直ぐに立ち直ることは難しいです。
今回、彼女は結果の追求よりも、本当にあの場でのゴルフを楽しんでいたのかもしれません。
強い集中状態を表すゾーンは意識して作ることはとても難しいとされますが
長時間ゾーンの状態を維持していたように思え
だとすると、’77全米優勝の樋口久子さんが言っていた新人類の言葉がしっくりきます。
彼女をロールモデルとし、スポーツで好成績を収めるなら
間違いなく、あえて作るのではない真の笑顔を保つことなのだと感じました。