その偏りは特徴か、不足か
スポーツ傷害
今夏は帰省を止め、久しぶりに盆休無しで過ごしましたが
盆休返上で大会に臨む中高生に多く来院いただき
その意味で休まず鍼療したことに満足しています。
多くは陸上でしたが、コンタクトのない競技特性上
不具合の原因は外傷性のものではなく慢性的に局所へストレスがかかったものと
推察されることが多く、治療の領域は患部にとどまらない
動きや補強にも言及しなければならなくなったと思います。
今は、幼少期から専門的な動きや負荷を取り入れていて
ある意味スポーツのプロ化を社会が望み推し進めていると思えます。
1990年中頃というと随分時間が経ったと感じますが
その頃の研究で、既に当時と約70年前の1925年のトップアスリートの身体には
はっきりと異なるパターンが存在していたことがわかっています。
例えば、世界的レベルの走り高跳びと砲丸投げの選手について
その身長と体重をグラフ化してみると、1990年中頃では
走り高跳び選手の平均値よりも砲丸投げ選手平均値の方が
身長が約6㎝高く、体重が約60㎏多い。
ざっくり言い換えると、昔のトップアスリートは
競技内容種目問わず、平均的と言える同じような体型体格であったが
現代は種目に特化したものに変わっているということです。
このことは日頃の臨床でも感じていて、中高生くらいになると
聞かなくても種目が当てれてしまうことがしばしばです。
この善悪論理ではなく、専門性に特化した身体と
形態的機能的に未熟であることの見極めをしなければならないことが
とても難しいのです。
陸上で言えば、走る競技は基本的にシンメトリーで考察すれば良いと思いますが
跳躍、投擲などでは左右差が生じ、例えば大腿の周径が違ってくるため
身体的特徴と捉えるか、筋力不足や動作の偏りと考えるかがとても難しくなります。
しかし、痛み症状は逆算すれば必然的にこの問題は解決に至ると思っていて
静的動的に形態動作を観ていけば詰まるところがあります。
心身ともに著しく成長する時だからこそ
気づきや修正によって飛躍的に伸びる可能性を秘めていると感じます。