筋肉の収縮と痛いところに施術しない訳
鍼灸、その他治療
筋肉が収縮し関節が動くことで人間は移動することができます。
これは一見、筋肉が縮むこと(距離が短くなる)が原則で成り立つ理屈ですが
筋肉は縮まなくても力を発揮し、移動に携わっているものもあります。
■アイソトニック・コンセントリック・コントラクション(等張性収縮・短縮性)
筋肉の長さが変わる(短くなる)
■アイソトニック・エキセントリック・コントラクション(等張性収縮・伸張性)
筋肉の長さが変わる(長くなる(強制的に))
■アイソメトリック・コントラクション(等尺性収縮)
筋肉の長さが変わらない
いずれも、筋肉の収縮(力が入った状態)ですが、異なるのはその長さです。
おもりを腕(力こぶができる上腕二頭筋)の力だけで持ち上げるのを想像してください。
腕の力よりおもりが軽ければ、力こぶができ(筋肉が縮まり)持ち上がります。
腕の力よりおもりが重ければ、支えきれず腕が(強制的に)伸ばされます。
(筋損傷、いわゆる肉離れはこの収縮で起こります)
腕の力とおもりの重さが等しければ、動きません(長さが変わらない)。
人間が動くとき(じっとしている時も)これらの収縮が同時に起こって
移動することができたり、支えたりすることができています。
ある動きは、ある筋肉が単独で収縮することで行われるのではなく
全身の筋肉が、伸びたり縮んだり支えたりすることで可能になります。
つまり、全身の筋肉の連動によってスムーズな動きは実現されます。
痛みなどの症状は、この連動に問題があることが考えられ
それは症状部位に施術をしても、雑草の頭を刈ったことにしかならず
根本的な解決には至りません。
なぜそこに痛みがあるのか。
痛みを取ることよりも、動きを整えた方が効率が良いのです。