慣れを意識する
姿勢
鍼灸学校に通っている時、まず鍼を鍼管という筒に片手で入れる実技をします。
片手挿管と言います。
最初、とてつもなく難しく、ただ鍼を鍼管に入れるだけですが
口が一緒にへの字に曲がっていたように思います。
今、何も考えなくてもできます。
当たり前ですが、それに意識を持っていかれたら治療どころではありません。
しかし、稀にスムーズに入らないことがあり
治療にもリズムがあるので、その時は不快です。
意識しなくてもできる、またそれが頻回になればなるほどクセが出ます。
クセは漢字で書くと(癖)ヤマイダレにヘキ。
このヘキにはかたよるという意味があるそうです。
文字通り、かたよって病気になるのです。
意識しなくてもできる=慣れ
と考えると、慣れたことを意識できない状態は
やがて病気を招くと言うことができます。
歩く、座る
当たり前にできてしまっていることに
意識を注ぐことの大切さがそこにあります。
患者さんは見ていなくても
かっこよく見える片手挿管を考えてやることがあります。