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クセがすごい

姿勢

岡山出身のお笑い芸人「千鳥」のフレーズ“クセがすごいんじゃ”は
岡山弁と言い回しの何とも言えない感じに爆笑してしまいます。

癖とは無意識におこなう習慣的な行動を言います。

ヒトには色んな癖があって、姿勢はその象徴だと感じます。

慢性的な痛みや強張りを姿勢が原因とする考え方は強く
スポーツにおけるover use、スポーツ障害でも姿勢由来と考えられるものも存在します。

姿勢とは止まった状態のみを言うのではなく
広義にはある関節の動きの均衡性まで含むと考えています。

つまり、関節可動、筋力、視覚に委ねた非対称の軸バランスなど
複数の要因が重なってあるべき姿勢が崩れ、個人のもつ不快閾値を超えたり
weak pointと重なると痛み強張りとして症状化するのではないかと思っています。

全ての人の動きは教科書に書かれた内容のようにはいかず
また年齢や性別によっても大きく異なるため
何が、どこが正しいのか相対的に導き出すことはできません。

しかし、ひとりの人をじっくり観察すると、その人のもつ癖があぶり出されてきて
治療の上で大きなヒントとなります。

癖という漢字の部首は「やまいだれ」です。

クセがすごいと笑いではなく病(やまい)に陥ってしまうかもしれないので
注意が必要です。

 

1キロの重み

健康寿命

'64東京オリンピックの日本代表だった選手などを対象に
その後の体力が加齢によりどう推移するかを日体協などが追跡調査しているそうです。

筋力は同年代と比べて優れているようですが
平衡性は逆に劣っているそうです。

継続は確かに力になりますが、ある一部に特化した継続は
それ以外の衰退を招きかねず、加齢はそれに拍車をかけるのだということでしょう。

筋力をとっても、日々全身的な運動、または局所を日替わりで動かさなければ
日常生活における自立はだんだん困難になっていきます。

足腰に不具合を自覚していない年齢、体力の方々は
想像すらしない、またはできないと思いますが、自覚し、それへの対策を講じていても
現状では、死ぬまで自分の脚で移動し日常を送ることはほぼできません。

全身のうち約70%は脚の筋肉です。
自分の体重を支え移動するには脚と臀部(おしり)の筋肉が必須です。

大腿四頭筋(ふとももの前)の筋肉量は男女とも60歳になると
20歳の時のおよそ2/3に減少します。

量が減り、弾力を失うと関節負荷が増します。
変形性関節症はその象徴と言えます。

そして、保存的に経過を見る場合、口をそろえて体重減少に言及します。

仮に20歳時の体重が60歳で維持できたとしても、筋肉量が減少していれば
相対的に関節負荷は増し、脚は移動手段として機能しなくなります。

1キロの体重増加は年齢を重ねるに従い、死活問題となります。

多くの方法論の存在下では、決定的な方法はないことが殆どだと感じますが
変形性関節症における体重減少は全ての医師、療法士が認め
症状の軽減、悪化防止に寄与することは間違いありません。

全身的なバランス良い運動習慣と体重管理は、加齢による体力維持
健康のための基礎を担い長期の自立を促すものであると言えます。

敢えて傾ける

鍼灸、その他治療

夏の全国予選を兼ねた地区大会など、各競技で中高生の大会が始まっています。

日頃のケアや調整で多くの選手の来院があります。

調整の場合、たいてい骨格アライメントの対称性を重視した施術を行い
大会までの日数、筋疲労、自覚症状など加味した上で必要な手技を加えています。

残念ながら痛みを抱えたまま大会に臨まなければならない場合
理学検査などで局所部位を概ね特定し、問診からその状態を把握するよう努めます。

再現性があるものは、動作によって確認後
痛みが現れにくい状態を作為的に作るよう治療します。

これは、通常の安静位、また動作時において
前後左右バランスを整えることを目標とする治療の意に反することになっても
優先的におこなう必要があれば遂行します。

10の痛みを7や8に軽減することで、痛みのコントロールではない方向に
力のベクトルが向けれるのであれば
“敢えて傾ける”ということが治療になります。

著効をみる症例が何例かありました。

選手の活躍を祈るばかりです。

 

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