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骨盤の動きの一部としての股関節内旋

骨盤

骨盤は上半身と下半身の真ん中に位置し
脊柱と下肢、それぞれに連携機能を果たしています。

言い換えると、脊柱と下肢から力を受けたり返したりするだけではなく
骨盤自体が動くことで、上半身と下半身の動きを全体としてスムーズに行えるよう制御しています。

よって、何らかの原因で骨盤の動きが抑制されると
身体のどこに不具合が生じてもおかしくありません。

骨盤も手足同様、複数の関節によって構成され、その動力は主に筋肉ですが
単独の筋肉が骨盤をコントロールしているわけではないので
上下、前後のバランスが均衡していなければ不具合が生じる可能性が高まると思われます。

歩行時、骨盤は水平面(体を輪切り)に対して回旋しますが
これが小さければ重心の側方移動が大きくなります。

つまり、地面と接する脚に身体を傾けて歩く姿勢をとります。

これを繰り返すこと、またこうしなければ安定した歩行ができないということは
骨盤周辺筋のバランス不均衡を意味します。

原因は、中殿筋などの股関節外転筋の機能低下と言われていますが
純粋な筋力不足、過負荷というより、骨盤周辺の相対的な筋バランス不均衡によると考えます。

特に股関節は、球関節(臼状関節)なので、ほぼ全方向に可動しますが
内旋のみ主動作筋が存在せず、中殿筋・小殿筋前部線維、大腿筋膜張筋
大腿骨粗線内側唇に停止する内転筋群、半腱様筋・半膜様筋(内側ハムストリング)が補助的に行います。

本来、機能を持つ筋が違う働きを担うというところが特徴的で
これが骨盤の動きに大きく関わるのではないかと考えています。

大きな力が必要という意味ではなく、他の筋の機能を殺さないようかつ
それ自体ほどよく機能するようというところに重要な何かがあると思います。

現に、股関節を大きく屈曲すると骨盤は後傾しますが
これを行ったとき、痛み違和感または他動的に感じる左右差がある場合
内旋補助筋のいずれかに張りや圧痛が生じていることが多いです。

ある動作、症状から問題箇所を探すのは難儀ですが
論理の追及と経験の蓄積で究明の幅は広がっていくと思います。

能動的な制御

ライフスタイル

世界陸上ロンドン大会のおかげで、就寝時間に起きることを余儀なくされ
私はずっと日本に居るのですが、まるで時差ボケです。

ひとりの人間のモチベーションが上がっただけでは、あんな緊張感のある場は作れないと
テレビからひしひしと伝わる臨場感から感じます。

その中で普段通りの動きなど、できるわけがないと思ってしまいます。

人間は、ある動きをしようと思うと、筋・関節などにある固有受容器というセンサーから脳へ
それをもとに脳から筋などの身体部位に情報が送られます(フィードバック制御)。

しかし、スタートのリアクションタイムのようにこれら一連の動きには時間がかかります。

つまり、思った通りの動きができないということです。

そこで、こういうふうに身体に指令を送ると良いのではないかという予測を
経験などに従って覚えておく(フィードフォワード制御)。

例えば、スタートで身体をスムーズに移動させるため
一番最初に腹横筋などの体幹の筋肉をより強く収縮させるといったことです。

身体運動はこれらによって制御されていますが、1/10秒、1/100秒を競わなくても
日常でもこのようなことは起こっていて、無意識に少しのズレが生じています。

どんなに学習しても、どんなに繰り返しても全く同じ動きの再現は困難で
だからスポーツ選手は反復練習でそのズレをできる限り小さくしようとします。

そして矛盾する難しい感覚の表現ですが、時には敢えてズラすようなこともします。
制御できないなかにスピードやパワーがあるといった感じです。

痛み強張りなどの症状は出るまで制御できないかもしれませんが、
大切なのは、制御しようとする能動的な取り組みです。

それが症状の大きさを小さくしたり発症の時間を短くします。

日本選手とともに、また睡魔ともあと数日戦いたいと思います。

関節の遊び

スポーツ傷害

痛みや強張りなどの不快症状の原因の一つに
マルアライメント(アライメント異常)が考えられ
これは日頃の臨床で優先的に基準として取り入れています。

ヒトの関節は解剖学的に可動域が設けられてはいますが
機械などとは違って、鮮明な境界はなく、よって理学療法でも
その終わりはエンドフィール(最終感覚)と表現されます。

何度も言及していますが、正しいアライメントと高いパフォーマンスは
完全なイコールではなく、この感覚という表現の部分
つまり関節可動域の遊びがとても重要だと考えます。

車のハンドルの遊びのような解釈です。
ハンドルを切ってすぐに車体が移動するのではなく
少しの時間、移動有余をもって車体が動くから
車にも乗っている人間にも負担が少なくスムーズな運転ができます。

ヒトの関節も遊びの部分はありますが、これが全身の連動にアンバランスが起こると
徐々に大きくなり、不快症状の原因となると考えます。

不快症状がないとしても、一通りチェックすると傾きは必ず存在し
そこから逆算すると筋など軟部組織の張力、触圧刺激の反応などに左右差をみます。

これが治療やトレーニングなどの道しるべとなり、未然に故障を防ぐとともに
高パフォーマンスに繋がります。

夏休みに入り多くのアスリートが練習、大会に奔走しています。

全力でサポートさせていただくとともに皆さんの活躍を願っています。

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