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感覚の理解と共有

鍼灸、その他治療

感覚を言葉で伝えるのはとても難しい。。

自分の、もしくは想像の中の感覚を言葉を介して他者に伝えるとき
同じ言葉の引き出しはたいてい持ち合わせていても、感覚のそれはないことが多いと感じます。

身体に生じた痛みや不具合の原因の矛先を、姿勢や骨格に持っていくと
必然的に感覚をお伝えして早期症状改善を促すということになります。

例えば、椅子に座った状態が長く続くと首肩が痛むという場合
一方の臀部に顕著な荷重があって、それが骨盤の捻れ、背骨の捻れに伴う背筋張力の左右差
視覚優位のため頭位(首)での代償という機序によると推測したとします。

自助努力として左右均等の座面への荷重をお願いしたいのですが、かみ砕いた言葉を使って伝えると
右と左のお尻に同じだけ体重がかかるように座りましょう。とか
宙に浮いた椅子がひっくり返らないように座りましょう。とか
ハリウッドにキレイなお尻の型を飾ってもらう感じで座りましょう。とか
試行錯誤で腑に落ちそうな言葉を選んでお伝えしたとしても
左右均等の感覚が得られない、もしくは想像できなければ言葉は共有されません。

弊院は、スポーツの現場で用いられるような超ハイテク機器は持ち合わせておりませんが
お許しがあれば写真、動画を撮り(動画の場合アプリを使って)解説させていただいています。

客観視することで感覚の理解が得られることもあるので
言葉と画像、両方を使ってできる限りお伝えしています。

クセがすごい

姿勢

岡山出身のお笑い芸人「千鳥」のフレーズ“クセがすごいんじゃ”は
岡山弁と言い回しの何とも言えない感じに爆笑してしまいます。

癖とは無意識におこなう習慣的な行動を言います。

ヒトには色んな癖があって、姿勢はその象徴だと感じます。

慢性的な痛みや強張りを姿勢が原因とする考え方は強く
スポーツにおけるover use、スポーツ障害でも姿勢由来と考えられるものも存在します。

姿勢とは止まった状態のみを言うのではなく
広義にはある関節の動きの均衡性まで含むと考えています。

つまり、関節可動、筋力、視覚に委ねた非対称の軸バランスなど
複数の要因が重なってあるべき姿勢が崩れ、個人のもつ不快閾値を超えたり
weak pointと重なると痛み強張りとして症状化するのではないかと思っています。

全ての人の動きは教科書に書かれた内容のようにはいかず
また年齢や性別によっても大きく異なるため
何が、どこが正しいのか相対的に導き出すことはできません。

しかし、ひとりの人をじっくり観察すると、その人のもつ癖があぶり出されてきて
治療の上で大きなヒントとなります。

癖という漢字の部首は「やまいだれ」です。

クセがすごいと笑いではなく病(やまい)に陥ってしまうかもしれないので
注意が必要です。

 

1キロの重み

健康寿命

'64東京オリンピックの日本代表だった選手などを対象に
その後の体力が加齢によりどう推移するかを日体協などが追跡調査しているそうです。

筋力は同年代と比べて優れているようですが
平衡性は逆に劣っているそうです。

継続は確かに力になりますが、ある一部に特化した継続は
それ以外の衰退を招きかねず、加齢はそれに拍車をかけるのだということでしょう。

筋力をとっても、日々全身的な運動、または局所を日替わりで動かさなければ
日常生活における自立はだんだん困難になっていきます。

足腰に不具合を自覚していない年齢、体力の方々は
想像すらしない、またはできないと思いますが、自覚し、それへの対策を講じていても
現状では、死ぬまで自分の脚で移動し日常を送ることはほぼできません。

全身のうち約70%は脚の筋肉です。
自分の体重を支え移動するには脚と臀部(おしり)の筋肉が必須です。

大腿四頭筋(ふとももの前)の筋肉量は男女とも60歳になると
20歳の時のおよそ2/3に減少します。

量が減り、弾力を失うと関節負荷が増します。
変形性関節症はその象徴と言えます。

そして、保存的に経過を見る場合、口をそろえて体重減少に言及します。

仮に20歳時の体重が60歳で維持できたとしても、筋肉量が減少していれば
相対的に関節負荷は増し、脚は移動手段として機能しなくなります。

1キロの体重増加は年齢を重ねるに従い、死活問題となります。

多くの方法論の存在下では、決定的な方法はないことが殆どだと感じますが
変形性関節症における体重減少は全ての医師、療法士が認め
症状の軽減、悪化防止に寄与することは間違いありません。

全身的なバランス良い運動習慣と体重管理は、加齢による体力維持
健康のための基礎を担い長期の自立を促すものであると言えます。

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