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ツボの効果を上げるアライメント調整

鍼灸、その他治療

鍼灸師が施術において目指すのは、ツボ(経穴)です。
ツボは治療点であり、反応点でもあります。

成人の皮膚表面積は約1.7㎡、ある一点を目指すとなると
おにぎりの中の一粒の米に例えて良いくらい狭く小さい指標です。

WHO(世界保健機関)で承認されるのは、361個のツボの名前と場所ですが
人の身体を座標化して表すのはとても難儀で
教科書通りのツボを表現しても、人によって数ミリ違うことは
むしろ当たり前だと私は思います。

しかし、ツボという着地点への道しるべとして361個が存在するなら
暗中模索の心配は少なくなります。

要は、当たりを付けた一定の範囲で、これという一点のツボを
探せば良いのだと私は考えています。

ただ、効かせるのか、効いてしまうのかは
鍼灸師の裁量に委ねられるところは非常に大きいと思います。

木を見る西洋、森を見る東洋と言われますが
理想は、全身を見渡して最も有効な1点に導くことです。

残念ながら、私はそのような神業は持ち得ていないので
主訴から離れた場所の複数も治療点とします。

そして、構造的な問題(アライメント)を、殆どの場合整えることを大前提とします。

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経験的にこの作業の精度が上がるほど、ツボの効きが良くなると感じます。

本日、来院時の再現で側方、前方に肩関節の屈曲が90度に満たない事例で
施術後、完全屈曲を見ました。

施術前後で同じ一点を押さえたまま挙上を促しましたが
アライメント調整後、明らかな改善ということは
ツボの効き目を上げたと言っても良いと思います。

 

快不快の原因

鍼灸、その他治療

“痛い”という症状をもって来院されても、痛みの再現ができない方がいます。

痛みに限らず、病院へ行くと「あれっ!?」という感じになったことがある方は
案外いるのではないでしょうか。

こどもの訴える、不規則的な痛みを成長痛と表現しますが、医学的にそのような診断名は存在せず
こどもであっても、各種検査によって所見があれば確たる診断名が付きます。

何かおかしい。でも検査では異常はないとなれば自律神経(こころ)の問題で処理されてしまうわけです。

痛みをはじめとする不快な症状は神経を介して
色んな物質が電気信号の伝導・伝達に加担して起こります。

逆に、心地良い、快についても同じことが言えます。

ということは、想像できると思いますが、情動(内因)が大きく関与します。

人間は自分をわかっているようで、その実態をほとんど知らないと言ってもいいと思います。
環境変化で自分の内側が変わってしまうのです。

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鍼灸による鎮痛や、不快症状の改善は、これをうまく利用していると思います。

鍼=痛い、灸=熱い
これは注射や焚火など、生い立ちの中で学んだ既成概念です。

(昔、テレビで梅干しを知らないオスマンサンコンがデカい梅干しをほおばって
くしゃくしゃな顔になるのを見て爆笑したことを思い出しました(笑)が
一度やばいとわかると、その対象は反射的にフィルターにかけられます。)

しかし、実際受けてみると痛くない、熱くない。
想像と異なる事実に、緊張から弛緩へ一気にフィルターが取り除かれるのだと思います。

ゲート・コントロール理論と言いますが、不快な症状を作るのも、取り除くのも
機械的、物理的な刺激のみではないということです。

MTSS(≒シンスプリント shin splints)

スポーツ傷害

特に、ランニングによるスポーツ障害の代表格、シンスプリント。
その定義、分類は、近年変遷しています。

シンスプリントは、脛骨内側後面遠位1/3から中央1/3に疼痛を生じる
overuse症候群とされますが、下腿同部位に疼痛を生じる疾患が複数存在し
鑑別が難しいことから、定義の変遷が続き
近年、MTSS(medial tibial stress syndrome)で表記されることが定着しています。

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進歩が著しい、画像診断装置によって原因の絞り込みは可能となっていますが
スポーツの現場において、理学所見から判断することは、とても難しく
疲労骨折と鑑別を誤ってしまうと、予後に大きな影響を与えることになります。

MTSSは、およそ、骨の微細損傷、筋の疼痛と張り、両者の混合の3タイプに分けられますが
この妥当性についても、今後知見を要するとしています。

MTSSの原因は、筋腱の牽引損傷、脛骨への曲げ応力とされ
脛骨後面に停止する後脛骨筋がそれを担っていたという認識が強かったのですが
疼痛発現部位には、ヒラメ筋・ヒラメ筋膜、長趾屈筋も停止しており、その解釈は統一に至っていません。

しかし、圧痛の位置と筋の起始が異なるため後脛骨筋は否定されつつあります。

発生因子として、女性に好発、体格の増大
足部アーチ構造をはじめとするマルアライメントなどが考えられていますが
これも十分なエビデンスを得るには至っていません。

実際、普段、アーチ高率を計測し高値であるにも関わらず
MTSSと考えられる症例をみることもしばしばあり
客観的スケールだけでは、図れない部分が少なからず存在すると実感します。

多くのスポーツ障害は、練習を休むことなく克服すべきだし
それは可能だと考えています。

そのためには、慎重な評価、プレイヤーの環境整備が重要になります。

早期の全快復帰に向けて尽力します。

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