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ツボの運用法

鍼灸、その他治療

鍼灸師が何を基準に施術するかというとツボ(経穴)です。

ツボは不規則に皮膚上に点在しているのではなく
経絡という縦横に走行する連絡網上に存在します。

経絡は現代医学の神経や血管の走行とは似て非なるもので
科学の発展した現代でも説明できるものではなく
鍼灸の効果を経絡を使って説明しようものなら
胡散臭く聞こえたり、眉唾的な存在になってしまいます。

しかし、経絡の概念を使い施術することで、症状の緩解がみられるのも事実で
標準化された言葉や身体部位、機能を用いた施術効果の説明、理解は
各流派の諸先生方が躍起になって継承されているところだと思います。

鍼灸の歴史から考えて、当時身体の中を診ることは不可能でした。

よって、身体の外側、つまり皮膚表面上の特徴を捉えることによって
病態を把握し、そこにツボが運用されるに至ったと考えることができます。

そして、時間をかけてツボがそれ以外の場所や内臓との関連
そこを刺激することで症状が緩解するという経験を理論化し
経絡の型を作り上げたのだと思います。

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鍼灸の効果は、同じ経絡の概念を用いても
施術する者の裁量によって異なるのも事実です。

どの鍼灸師が施術しても、同じ効果が出せる方法論を構築されている先生もありますが
それは経絡やツボの運用法が違う、また、経験だといわれると話が終わってしまいます。
少なからず、既存の経絡の概念に応用を加える必要があるのではないかと考えています。

人間は動物です。動く物です。

ならば、動かしながら評価する必要があるのではないかと思います。

だから近頃、身体の連動や動的な鍼灸を推進しています。

 

 

連動③

姿勢

痛みや凝りといった症状を持つほとんどの人に動作の制限があります。

肩が痛いからといって肩だけに動きの制限があるのではなく
それ以外にも見られることもしばしばです。

これは、動くために(姿勢を安定させるために)全身が連動していることを意味します。

全身の骨

身体には、正しい使い方があります。

正しい身体の使い方の前提は、良い姿勢と言っても良いと思います。

容姿端麗なモデルでも、腰が痛かったり肩が凝ったりします。

また、腰の曲がった、おじいちゃんおばあちゃんの全てが
腰痛かといえばそうではないと思います。

良い姿勢の条件は、力学的、形態学的な安定だけではなく
その判断基準は、色んな視点によって変わり
また、その捉え方によって異なるからです。

しかし、動きやすさを求めて得られたものや
何かに都合よく合理的なものは、必ずしも良い姿勢とは限らず
むしろ、良い姿勢は少しの強制があって成り立ちます。

だから、どこかでその動機付けをする必要があり
客観的に評価できる、いわゆる良いとされる姿勢に近付けることは
正しい身体の使い方の基礎となると考えるので
治療に際し時間をとってアライメント(ある姿勢における骨の位置や
身体各部位の並び)を診ることになります。

 

連動②

姿勢

やわらかい‐かたいは相反する言葉でありながら、両者は同義にもなると考えます。

全ての動きはその中に必ず“止まる”を含みます。
言い換えると、動くためにはある姿勢を安定させる必要があります。

歩行を例に挙げると、股関節‐膝‐足首と関節が曲がる、伸びるの役割を担い
地面に体重を伝えることで前に進みます。
関節が柔らかく使えれば大きな歩幅で進むことができます。

一方で、足裏が地面と接している時、伝えた体重によって
返ってくる反動に耐えなければ進むことはできません。
強い反動に耐えるほど大きな歩幅になります。

全身の連動で関節を曲げ伸ばしし
地面と接する瞬間は止めるということを繰り返し歩行が成立します。

そうすると、全ての姿勢は力を伝えることと、支えることで成り立ちます。

客観的に止まって見えても同じことが言えます。

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関節(や筋)をやわらかく使い、また、強く(かたく)支えることで安定が得られます。

よって、姿勢の安定の意味では、両者は相反する言葉でありながら同義となるのです。

また、両者はその大きさが等しければ、より安定し代償や補填を生みません。

ある一点を切り取って評価しても、本質は見えないことがあるのです。

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